なっちゃんとセントレアで飛行機を見る 後編 (24)

なっちゃんとセントレアで飛行機を見る 後編

二日目の朝になった、二人ともゆっくり行動することにしたけど、やっぱりなっちゃんのiPhoneのアラームは頻繁に鳴る。グラスに入れて渡したお茶を美味しそうにグイグイ飲んでいた。昨日買ったジュースはこの時のためにと思っていたのに、冷蔵庫に忘れてしまった。(飛行機を早く見たい気持ちが強すぎたのだろう)

とても良く寝れたのは、このホテルの防音性が良いからかも知れない。「朝ごはんは何を食べようか?」なんて話をしながら支度をした。まず、荷物をレンタカーに積んでから行動することに決まった。

チェックアウトして駐車場へ向かった、「FLIGHT OF DREAMS フライト・オブ・ドリームズ」は作っている最中だったので、「また今度行こう」と話をしていた。この時も僕は飛行機を見たいと思っていた、そんなことを思っていてもサブウェイへたどり着いた。

セントレアは2日目の方が初日より空いていて、とても良い感じだったのでルンルンしていた。

しかし、飛行機が思ったより飛んでいなかった。なっちゃんに「そんながっかりしないでよ!」と言われたので停まっている飛行機で我慢した、でもやっぱり着陸を見たかったので、見るのを辞めた。

お土産屋さんに記念メダルの機械があったので、記念メダルを買って、僕となっちゃんの名前と日付を打刻した。なっちゃんは「ねー!別れたらどうするの!?」と恥ずかしそうに言っていたが「二つに割れば良い」と言い返しておいた、なっちゃんはなくすクセがあるのでずっと僕が持っている。人生で初めてこういう事をしたのである、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。子供の時のガチャガチャの50倍はウキウキした、金色の子供が喜びそうな、飛行機の型が入っているメダルの話をこの年になってするとは思わなかった。書かなければ良かったなんて1ミリも思わない。

セントレアをぐるっと見て回って、その後に常滑のイオンに行った。そこでは仕事の市場調査が出来た、こんな話はどうでもいい、それこそ書かなければ良かったが消そうとは思わない。フードコートで昼食を食べた、僕はうどんでなっちゃんはとんかつをしっかり食べた、なっちゃんは「これ男と女の食べる量が逆だよね」と言って笑っていた。

なっちゃんは「乗って良いよ」と言ってくれた、そうレンタルカートがあるのがイオンモール常滑なのだ。最初は「乗らないよ」なんて言っていたのだが、僕の顔には「乗りたい」と書かれていたのだろう。カートに乗って、パニック障害の発作が何で出ないのだろうとしばしば考えることがある、ヘルメットを被ってスピードを出して・・・好きなんだろう。それぐらいしか理由が見つからない、とても都合の良い人だと自分で思う。前しか見えないのが良いだろうか?競走馬もそんな理由で視界を意図的に遮ってレースに出ている馬がいる。

とても楽しんだ7分間だった、なっちゃんがいっぱい写真を撮ってくれた。とこにゃんが常滑焼なのか?居たのでなっちゃんにマネをしてもらって、恥ずかしがっている「かわいい写真」を撮ったりもした。

この日はパニック障害で診てもらっている病院の日で、なっちゃんにも付いてきてもらった、でも診察室には入らなかった。

先生には「彼女とセントレアに行ってきました」と話をすると、いろいろアドバイスを言ってくれた。僕は「なっちゃんとイギリスにファーストクラスで行きたい」と言ったが「新婚旅行には良いと思うけど、最初は北海道か沖縄県ぐらいにした方がいい」と言われた。

パニック障害の克服についても「考えすぎないで小さな成功体験の積み重ねをすることが大事」と言われた。「飛行機は彼女が横に居れば大丈夫かもしれないね」と言われ不思議に感じたがホッとした。

夕飯はもんじゃ焼きを食べた、なっちゃんは不器用だが、このもんじゃ焼きは器用にやってくれるのだ。これなっちゃんの七不思議のひとつ、ここだけの話。