なっちゃんとのお付き合い (1)

なっちゃんとのお付き合い

これは実話です

なっちゃんとは偶然の偶然で出会った

トントン拍子で付き合う事になった。以前から知っていたかのように

これほど人を愛したことは無かった。これほど愛されたことも無かった

とても鈍臭くてそれが可愛らしかった

この人と結婚するんだと思っていた

付き合いだして少し経って、京都に行く事になった時のことである。朝は何度も電話をしないと起きなかった、イライラしていたのを今でも覚えている。タクシーで迎えに行ったがなかなか家から出てこなかった。何だかんだ駅に着いて朝ごはんにパンとコーヒーを買った。

彼女はとてもウキウキしていた、でも僕は少し不安を感じていた。パニック障害が彼女の前で出てしまわないかということを

新幹線が到着して乗り込んだ、久しぶりに乗ったので進化したなぁなんて思っていた。行き先を決めようと話していたんだが全然進まない、周りの声もうるさいと感じていた。

どうにもイライラしたのでトイレに行ってくると言ってトイレに入った。そこで予期せぬ事が起こった、解鍵をすんなり出来ず閉じ込められたと思った途端にパニック障害の恐怖が襲ってきた。何とか冷静になって解鍵して出た、その時もう心臓はバクバクだったのと駅に停車していたので荷物をすっ取って新幹線から降りた。彼女には携帯電話に電話をして今すぐ降りてと言った。駅員さんに止められたが少し待って!と彼女が走って降りてきた

「ごめん」パニック障害の発作が出たと伝えた。彼女は素人な訳で対処法など知らないから「大丈夫?」と優しく言ってくれた。

ここで一つパニック障害が起きている人やパニック障害の人に言って良くない言葉「大丈夫?」であることを記しておく。子供を扱うように「大丈夫だよ」「もうすぐ良くなるからね」なんて風に扱われた方が本当は楽になる

さて次に何に乗ろうとなった時に、鈍行を提案してくれた。ホームには行ってみたが乗れなかった、これほど怖く感じるとは思わなかった。あちゃーとなったのだが、一つだけ思いついたのがレンタカーだった、それも現地で乗り捨てできるプランで

レンタカー窓口で手続きを済ませて、いざ京都へ。この時点で安定剤を飲んでいたのでもう大丈夫と自分へ言い聞かせた、隣に好きな人がいるという事はとてもパワーになる

ここで振り返ると、僕はなっちゃんの前で発作が出てはいけないという勝手な思い込みにとらわれて、自分を見失っていた。彼女の事を信頼していたのだが、純度が100だったというわけではなかったのかも知れない。猜疑心が強い自分は彼女に身を任せておけなかったのだろう。振り返ると、先にパニック障害が出た時の対処法を言っておけば良かったと、後悔している。

さて、しばらくは一般道を走ったが、大丈夫だと判断して高速道路を使って無事に京都に到着した

こころが晴れるノート:うつと不安の認知療法自習帳


続きは第二話