なっちゃんと完結 その3 フラッシュバック (48)

なっちゃんと完結 その3 フラッシュバック

またしばらく経ってから書いている。理由があった。

会社として、イベント出店をしてきたのだ。それが何だ?と思わないで欲しい。なっちゃんと、一度だけ一緒に行った事がある、田舎のピザの美味しいバカに広いカフェでだったのだ。

僕には2つの不安があった。人混みになる場所でパニック障害は大丈夫だろうか。それよりも、なっちゃんとの思い出を思い出して泣かないだろうかだった。二人とも仲の良いフレッシュな時に行ったお店だったからだ。

僕のブースには全く人が来なかった。いや、取引先の信用金庫の人がファミリーで来てくれた。嬉しかった。

出店者さん(出展なのか漢字が分からない)達は9割が結婚していて、子供も連れて来ていたので、沢山の子供連れファミリーが来ていた。僕は少しエモーショナルな気持ちになっていた。

中学時代の同級生も来た。「久しぶり!」なんて言うとすぐに僕の名前を姓でなく、名で呼び捨てで呼んでくれた。女の子に呼び捨てされていたキャラだったんだ、僕。その子も、あの子も子供を連れている。

僕は少し焦った。「一人?」と聞かれた。だから二人に「独身なんだ~」と言った。でも「男なんてまだ全然大丈夫!若い子つかまえれば良いだけだから、アハハ!」と言われた。彼女たちはウソを言っているように思わなかったので「そうか~」と言っておいた。

自分のブースに戻ると目の前で、子供が指が痛いと機嫌を損ねていた。「ぺ!」、「ぺ!」とアピールを始めた。絆創膏が欲しいみたいだった。ママは「無いよ、おうちでね」と言っていた。

僕のリュックにはかなり色々なものが詰まっている、重さが違う。心配性の僕のリュックに絆創膏は5枚入っている。

「良かったらどうぞ」と2枚の絆創膏をママに渡すと「ありがとうございます」と喜んでくれた。それで当然だが子供もニコニコしていたので良かったと思った。子供だましって、すごいなと思った。

パニック障害の僕は不安症だから備えておくことがたくさんあったりする。悪い事ばかりでもない。

たくさんの子供を見ていると「僕も結婚して、子供がいたら」と少し一人で考えていた。でも、なっちゃんとの子供を想像しなかった。エピローグを書いているのだ、当然だろうか?、僕は、完結してるんだと実感した。

主催者の同級生が、僕の声掛けのヘタぶりを見るに見かねて、色んな人に広告を配りだしてくれた。ちゃんとお客さんを繋げてくれた。僕はオードリーの若林みたいに人見知りだったりするのだけれど、二人の女性と仲良くなった。今の若林のように元気に話をした。

仲間達からは、「どれだけ仲良くなってんだよ!」と突っ込まれた。

会場の片付けをしていると、そのなっちゃんとの思い出の場所と席のそばにいたので、昔の席に行ってみた。2016年の記憶なんてと思ってたけれど。会話や、写真を撮ったとか、飲み物とピザの味が、全く新鮮に鮮明にフラッシュバックした。

でも、不思議なぐらい気持ちが一切ふれなかった。僕が一人でいる事がナチュラルだった。210%ピュアだった。

だから思ったんだ、今日はブログが書けるって。

次に続く