なっちゃんとセントレアで飛行機を見る 中編 (23)

なっちゃんとセントレアで飛行機を見る 中編

この日を振り返るとパニック障害のパの字も感じなかった少しも出てこなかった日であった。推測理由は文末に記載してあります

さて、セントレア内に着いて、なっちゃんは「人は大丈夫?」と聞いてきた。「これは余裕」と笑って言っておいた、色々なものに目が向いて行った、そのうちにキャビンアテンダントさんを見付けて、なっちゃんに「スチュワーデスさんが歩いてる!」と報告した。普通に歩いているとは思わなかったのだ、大スクープだと思ったらそんな事はなかった、なっちゃんはパイロットに目で追っていた。男も女もそんなものだと思った、外人が多いのも何だか良いなと思った。

それで、なっちゃんが「飛行機を見たいんだよね?」と本題を投げてきた、「もちろん!」と即答した。ホテルにチェックインすることにした、やっぱり「低い階」にしてくれていた。

部屋に着いて「低い階にしてくれてる!ごめんね」と言った。この時なっちゃんが強く抱きしめてくれた、何を言うでもなく、ただ強く抱きしめ合った。褒めてくれたんだと思う、あと愛情表現もしてくれたんだと思う。この時に次は「飛行機が見える部屋」に泊まろうと思ったのを鮮明に覚えている、このセントレアなら高くても大丈夫だと思った。

お風呂に少しお湯を溜めるのが僕のいつもなので、それをやっているとなっちゃんが来て「いい感じだねー素敵だ」と浮かれていた。

部屋を出る前にキスをした、「緊張しなくて大丈夫だから」と言われたのはやはり、飛行機を旅客機でなく「爆撃機と思っている」と思われていたからかも知れない。

スカイデッキに向かって行った、外に出ると音がする、いろんな音が飛び込んでくる。嫌いじゃない、好きだった。なっちゃんに手を引かれて進んでいく、そうしないと目の前に映っている物にキョトンとしてしまうのだ、そこで何が起こっているのか知りたかった、荷物を引っ張っている車の運転はやってみたいと思った。

でも、なっちゃんは離陸と着陸を見せてくれようとしていた、二人で手を繋いで見た。僕は離陸の時より着陸の方が気になっていた、離陸は何キロぐらい出てるんだろう?ぐらいだった、着陸は何キロで進入角度は?と心配で仕方なかった。客観的に見ていると、パイロットの技量なのかなって思った、とてもでないが均一でないところが面白かった。間違いなく人間が操縦してると思った、それでだんだん安心した。

この時に「飛行機に乗りたい」と思った。とにかく僕は、はしゃいでいたので、なっちゃんが沢山の写真を撮ってくれた。なっちゃんも嬉しそうにいつもより浮かれていた。夕方になって夕食を食べることになった、カフェみたいなところでパスタとカレーを食べたような気がするが正確には覚えていない、2年前の話だから覚えていないのでなくて、3席向こうにキャビンアテンダントさんが一人で食事をしていた、という「強い記憶」にかき消されてしまったからである。

そのキャビンアテンダントさんの姿勢がそんなに良くなかったので「そりゃ人間ですもんね」と思って安心したのだ。人なんて人だから良いのだと思えたんだ

その後に二人でお店を回った、僕は木の専門店で名刺入れを買った、会社の名前と設立日を刻んでもらった。あとアロマオイルに使う木のブロックと台もさらっと買った。次に無印良品に行って僕は絆創膏とアップルジュースと水を買った、なっちゃんはスープを買った。

夜に「もう一度飛行機を見たい」と言ってなっちゃんと飛行機を見に行った、僕は飛行機を誘導?している人が気になったりした。僕が「やっぱり明るい所で見たい」と言うと「明日も見れるから!そんなに楽しいの?」と笑って言った、帰りたくないと思うことはめったに無いがこの日は違った、帰りたいと思わなかった。たぶん大丈夫が絶対大丈夫に変わっていた時間だった。

絶対大丈夫って何が理由だったのか?あれだけ多くの飛行機が、「確実に着陸をしていた成功」を見て、僕自身が成功体験をした気になり、大丈夫だと思ったのかも知れない。とてもいい事ではないか

二日目に続く

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