なっちゃんの実家にSTAY
なっちゃんの実家にお泊りになった理由は、ご両親が二人で旅行に行くという事で、「誰もいないからおいでよ」と言ってくれたからだった。
なっちゃんの実家にはワンコがいる、最初はお利口でなかったが、段々とお利口になっていった。ミニピンの牝でぷっちゃんはとても気の弱いワンコだ、散歩中にどんな犬でも向こうから歩いて来るのを発見すると、まずひれ伏す。ある意味では素晴らしく優秀かもしれない。ミニピンといったら、ひたすら鳴き散らすと思ったら大間違いだ。
なっちゃんとは昼から一緒にいた、二人暮らしをしているような気分だった。コーヒーを入れてくれて、おやつも食べたりした。間違いなく最高の休日である。
夕飯どうしようなんて話をしてるうちに、デリバリーピザにしようという事で決まった。どれも美味しそうに見えたので、何種類か分かれているやつに決めた。
夕飯前にぷっちゃんの散歩を一緒にした、二人で歩いていると何だか落ち着いた。なっちゃんはリードを操るのが上手でないので、僕がリードを持っていた、ちょっと走ったりもした。僕は飼い主ではないのだが
パニック障害のある人に散歩はオススメである。それも日の出ている時間に、心が落ち着くのと不安になる要因がないからである。慣れたら走ってみるぐらいも良いと思う。
散歩をしてから、デリバリーピザ屋さんに電話をしたら少し待たされるという事だったので、二人で取りに行くことにした。その時間までにスーパーに行こうと、向かった。ぷっちゃんは夕飯の時間だったので、先に食べてもらうことにしてお留守番をしてもらった。
二人でスーパーを歩いていると夫婦みたいだ、なんて思ったり。二人ともルンルンしていた、知り合いに見られたらどうしようねなんて笑った、ただジュースとかを買ってるだけなのに。
タイムキーパーは僕だったのでそこそこに買って、デリバリーでないデリバリーピザ屋さんに3分前に着いたが、まだ出来ていなかった。時間厳守なデリバリーピザ屋さんだ!と車の中で笑ってしまった。単に混雑してただけだと思う。
二人で持ち帰って、さあ食べようとするとぷっちゃんが「私も食べさせなさいよ」と必死になっていた。ワンコにピザは食べさすわけにはいかない。そのうち拗ねて、向こうに行ってしまった。
なっちゃんがスープを入れてくれていた、以前に二人で人混み訓練を兼ねて行った、無印良品で買った割高なスープである。なっちゃんが、お湯を入れてくれるだけで美味しいのだから不思議なものである。
ピザを二人で「美味しい~」と少し叫びながら食べた、何より雰囲気が良かった。照明の感じが柔らかくてなっちゃんの笑顔も素敵だった。ピザは無理して食べず「明日の朝食にしよう」と決まった。よく我慢したぷっちゃんには、少しだけおやつをあたえた。お座り、伏せ、お手ができたのを確認して
少しの間、二人でソファーでゆっくりした。二人でない、二人+ワンドッグだ。パニック障害になってから思ったのだが、犬は人の心を深く感じていると思うので、頼りにするのは一手段だと本気で思う。日本語は話せないが、心の全部を分かっているのではないかと思うことがあった。
なっちゃんがお風呂から出てきてからは、アトピーの薬を塗る大切な時間である。背中に薬を塗っていると「お母さんより優しく丁寧に塗ってくれるの嬉しい」とポッと言う。いつも塗るたびに言う。「僕もいつもありがとうね」と言った。
愛とパニック障害に関係があるか無いか知らないが、あなたがもしパニック障害で支えてもらっているのならパートナーにもしっかり感謝を伝えるといいと思う、「ありがとう」一言で変わるものがある。
なっちゃんはアトピーのコンプレックスがあったが、僕はいつも「今日かわいいね」とか「前より奇麗になった」と真面目な顔で伝えていた、不思議と奇麗になっていったし、本人も自信をつけていった。
そんな訳で、パニック障害にも「大丈夫」とか「仲良くやっていこう」と言ってやることが役立つかも知れない
さて寝る時間になったのだが、僕は一つ予想していたことがあった。なっちゃんの横に寝ると、なっちゃんに布団を取られ寒い思いをするのではないか?と、予想は当たった。なっちゃんがくるまっている布団を抱きしめるしかなかった・・・。
次の日は、起きてから二人でグダグダしながらも、二人で歯磨きをした。なっちゃんは本当に上手に歯磨きをする
昼ご飯をなっちゃんが作ってくれるというので、ワクワクしながら見ていたのだが、なっちゃんはどこか不安そうに見える。「自信ないからね」と言ってきた。僕が不安に見えるときは、こんな感じに映るんだろうと悟った。
「自信がない」と言っていたが、失敗するはずのないパスタを作ってくれた。美味しかった、なっちゃんが作ってくれたことが嬉しかった。
ただの付け足しになるが、ワンコが一緒にいると喧嘩が少なくなる気がする。人の心を落ち着けるんではないかと思った