なっちゃんが僕の親友に会う 前編 (42)

なっちゃんが僕の親友に会う 前編

2019年の1月3日に、僕の高校時代からの大親友のりょうと奥さん、僕となっちゃんの4人で会う事に決まっていた。

僕とりょうとなっちゃんの3人では、2017年12月30日に会っていた。その時の僕はとても落ち着いていたらしく、なっちゃんはびっくりしていた。

僕は、「うん」とか「そうだね」とか、ニコッとしたり首を縦に振るだけで良かった。りょうが大体を上手に話してくれるので、僕は安心してくつろいでいた。それで良いと思える相手がりょうであった。

普段は僕が主体となって、分かりにくい話をするのだから、その違いはなっちゃんにしてみたら驚きだっただろう。僕も、言われてみて「そうだな」と思った。それとなっちゃんは、僕の大切な友達という意味もすぐに理解しただろう。

当日は正月という事もあって、珈琲店は混んでいた。りょうは車を駐車場に車を停める事が出来ないので少し遅れるとラインがあった。僕たちの方が先に着いたので店内で待っていることにした。

なっちゃんは、少しだけ緊張していたが、それよりも楽しみという気持ちの方が大きかったように思えた。

りょうもなっちゃんもいわゆる一つのお利口な人なので、そのレベルが釣り合っていて、話の進み方が良いのだと思う。

りょうは、僕の通訳をしてくれている感じなのである。それくらい僕の事を理解してくれていて、それを上手に言葉にして表してくれたのが、一年前の事であった。それから3人でラインをしたりもしたが、やはりなっちゃんとりょうの話はよく噛み合っていた。僕は恥ずかしい気持ちになったのを覚えている。

二人とも偏差値は60ぐらいはあるはずだ、いやあったはずだ。僕はいつも思っていた、なっちゃんにお利口さでは勝てないんだと。

それで、僕は少し語彙力をつけようと読書を始めた。学ぶことは嫌いじゃない。

りょうと奥さんがお店に入ってきた。いつもの事だけれど、お土産を持ってきてくれた。僕たちもお土産を用意していた。地元のほどほどに有名なお店に行って二人で決めたのだ。

なっちゃんはりょうと話が出来るからか、機嫌は良かった。不思議な気持ちだった。

さて、4人で話を始めたのだけれど、やっぱりリーダーはりょうだった。それになっちゃんが反応するといった感じだった。まあ、当たり障りのない近況の話をしていた。

りょうの奥さんはちょっと外野から見ているという感じになっていた。僕はやっぱり口数は少なくて良かった。なっちゃんはお利口な人の方があっているのだろうと嫉妬したのを覚えている。単に勘違いかもと思ったが、実際に僕の語彙力の無さはなっちゃんをしばしば困らせた。やっぱりお利口な人の方が良いかも知れない。

こんなに、ほんわかした雰囲気が次の話題で一気に凍りつく事になった。

次に続く

ここは余談です。これを書いている時に元カノから電話があった。何かと思って聞いていると、旦那さんの趣味のための必要なものが売切れになってしまっているのだけれど、僕の家から近い店には在庫があると。

元カノに言った「旦那の趣味のために元カレを使うって雑だな!」って。そしたら「そんな事をあーだこーだ言ってる場合じゃないからお願い!」って。優しい僕は、それをすぐに買って発送しましたよ。勘の良い人なら何か分かるだろう。

看護師を辞めて、名古屋の百貨店で昔から好きなアパレル販売をやっていると聞いた。なんだかホッとした。人には得意と不得意、好きと嫌いがあるって事に。

パニック障害の事も少し話したりした。なにって事ではないけれど、いくつかヒントはあったりした。