なっちゃんと二人でダウン (19)

なっちゃんと二人でダウン

夏本番の8月の事である、二人で以前に行った遊園地みたいな所にあるナイトプールに行く計画を立てていた。なっちゃんが行ってみたいと言ったのと僕も再び行きたいと思っていたのだ。僕は水着を買って、二人分のスマホ防水ケースを用意した。二人ともワクワクしていた。

僕はこの時は銀行から会社の融資を受けるための事業計画を立てたりしていた。(僕が立てたのでなく、専門の人に手伝ってもらった)ものすごいストレスだったのをよく覚えている。打ち合わせも苦痛だったのと、事業計画が通るのかという二つのストレスだった。

なっちゃんは夏季休暇ということで、家族で広島県に行った。宮島にも行ったみたいで、お土産に僕の名前と商売繁盛と書かれた、しゃもじのお守りをくれた。今でも銀行に行くときのポーチに着けている、お気に入りなんだ。もみじ饅頭ももらった、とても美味しかった。

その前から僕の額には赤い見た事のない、できものができていた。痛かったので、なっちゃんに写真を送って見てもらったりした。今思うと、なんて無意味なことをしたんだと思うが、これが恋ってやつなんだろう。心配性の僕は、とにかく心配だったんだと思う。

僕は病院に行くことにした、とりあえずかかりつけの内科に行った。先生は僕を指差して「帯状疱疹だ!!」と言った後に「悪い所に出たなー」とか言われて、眼科と耳鼻科を受診することを命令された。看護師さんが、自分の同級生のお母さんなのだが、会計時にすーっと来てくれて「痛みが残ると大変だから、とりあえず薬局で出された薬をすぐに飲んで、眼科と耳鼻科では帯状疱疹なのですが、診察してくださいって言う事」と教えてくれた。

薬局に着いた頃に、なっちゃんから何度も着信があったので折り返してみると「お腹が痛いー、あー」とか「むりー」などと叫んでいたので「どうして痛いの?」と聞いてみたが「来て、早く来て」と言っていたので「薬局にいるから、少ししたら着くから待ってて」と言ってみるが「何分ぐらい?早く!痛いよー!!」となってしまう。

僕は薬局で出された帯状疱疹の薬をその場で飲んだ、頭と背中がチクチクするがなっちゃんの家に向かった。少しだけ考えたのは、僕がパニックにならないように気を付ける事と一息ついてみた。

ワンコは静かにしていた、ワンコ的にもまずなと思っていたのだろう、なっちゃんは、のたうち回っている。水すら飲めない、痛くて手が震えてしまうのだ。これは相当痛いってことだと悟ったのでバケツを用意した、やはり次に吐き気がきた。お腹が痛いと言う、叫んでいる。病院に連れていくことに決めたが、パジャマのままでは少しかわいそうだと思ったので、僕なりに服とか選んで着せて出発の準備をした。

準備はしたが、なっちゃんは一人で歩けない、帯状疱疹の僕にはお姫様抱っこは出来ないので、おんぶにした。車に乗せるのが大変だった、帯状疱疹のピリピリが突然襲ってくるのだ。

消化器内科に連れて行ったら、すぐに診てもらえることになったのだが、やはり「痛い」ばかり言っているので、家での様子を伝えた。先生はまず「点滴をしましょう」と言って点滴が始まった、少ししてなっちゃんは寝だしたので看護師さんに事情を説明して僕は病院へ向かった。

耳鼻科では隔離された。大丈夫と言われたので安心した。次に眼科だが、「今のところ大丈夫だけど、もう一週間後に来て」と言われた。少し不安だった。いや、少しではなかったものすごい怖かった。

早く診察してもらえたので、なっちゃんの病院に急いで戻ったら、なっちゃんはまだ点滴中だった。看護師さんに「点滴が終わるころに目を覚ましてあげてね」と言われた。

点滴を終えたなっちゃんは「少し痛くなくなった」と言っていた。とにかく痛かったのだろう。後日また救急外来に行ったと聞いた。原因は分からなかったのだけれど。不思議な話であった

二人のナイトプール計画は破棄になったのは言うまでもない。

僕の帯状疱疹の跡は3ヶ月ぐらい残った、看護師さんは「そのうちに気にならなくなるから大丈夫」と言ってくれた、痛みは2週間ぐらいで無くなった。眼科でも「問題ないから心配いらない」と言われたので安心した。