なっちゃんとセントレアで飛行機の見える部屋 前編 (38)

なっちゃんとセントレアで飛行機の見える部屋 前編

セントレアに行く事が決まった。その前には、なっちゃんと沖縄の旅行の本を買ったりもしていた。沖縄はまだ決まった訳でなかったけど気分的に。

イルミネーションとかやってるみたいで、クリスマスが近くなっていた。

そこで、僕なりのサプライズはセントレアのホテルで「部屋から飛行機が見える」っていう部屋にした。高層階なのだが、たぶん大丈夫って思う事にした。以前なら、高い所も怖いと思っていたけれど、なっちゃんと一緒ならたぶん大丈夫って思えた。

それに、部屋から飛行機が見えるなんて、楽しみが増えるわけだ、良い事だ。

それでは出発!なっちゃんが、出発してしばらくすると「ストッキングが脱線してるからドラッグストアに寄って欲しいよー」と言った。なっちゃんにしては、気付くの早いなと思ったりしたが、いや目立つ。

これは誰でも気付くし恥ずかしいだろうなと思ったので、ドラッグストアへ寄る事にした。「すぐに買ってくるから」と言って、小走りでお店の中に入って行った。

本当にすぐに買って戻ってきた。早かったのは、恥ずかしかったからだと思う。いつもはもっとゆっくりなのだもの。

そんなこともあったが、だんだんセントレアが近づくにつれて、なっちゃんが「私いつでも交代できるからね」と言ってくれたのですんなりコンビニに入ってコーヒーを買って運転を交代してもらう事にした。

なっちゃんの運転は、とても上手くなっていた。もうぎこちない感じは無くて、安心して乗っていられる。ミラーで後方確認とかを、助手席でしなくても良い。「これは幸せだ」と思ったりしていた。なっちゃんも運転に自信をつけていたように感じた。

道路工事があったようで、まわり道をする事になったけれど、それは嫌ではなくて、「こんな事もあるよね」的な話をしながら、セントレアへ向かった。

セントレアに到着して、二人でニコニコしながら「到着!」と声を上げた。今回は「フライトオブドリームズ(FLIGHT OF DREAMS)」も営業しているので、それも少し気になっていた。やっぱりポスターみたいなのとかが多かった。

まずホテルにチェックインする事にした。部屋に向かって入ってから「この部屋から飛行機見えるの」と言うと、なっちゃんは目を大きくして「ああ、本当だ!大丈夫?」と言った。「うん、一緒だから大丈夫、景色も良いし」と言ってみると「良かった」と笑顔を見せてくれた。笑顔が眩しくて愛らしくてキスをした。

飛行機を見に行くことにした。たくさんの飛行機が着陸と離陸をしていた。僕が飛行機を見たいのを知っているから、寒い中でも付き合ってくれているが、僕ほど見たいと思っていないはずだ。

なっちゃんは、名古屋に住んでいたことがあるので、飛行機は普段からそれなりに見えるし、そんなに特別でなかったかも知れない。大学の卒業旅行では、確か「航空会社の手違いで私だけビジネスクラスに乗れたの」って言ってた気もする。「気まずかった」とも。

二人ともしっかり昼食を食べていなかったので、少しズレたタイミングでお腹が空いて、何か食べようか?なんて話をしながら、ムーミンとかフィンランド展みたいなのを見ていた。見ていたけれど、お腹が空いているほうが勝っていた。

それとなっちゃんの憧れというか、良くしてもらった大好きな女上司が「今日、北海道に行く日なんだよね」と言っていた。

二人で適当に決めた食事を食べていたら、向こうからその女上司のNさんがこちらへ向かって歩いてきた。目が合った。会ったことは無かったけれど、なっちゃんが行事の写真を見せてくれた時に、Nさんはいつも映っていたので分かった。

「Nさんだよ」と言うと、なっちゃんはその場から走って去ってしまった。どれぐらい慌てて去ったかと言うと、スマホをテーブルに置き去って行った。

僕は、残ったご飯を「二人分」食べる事にした。周りから少し不思議そうに見られたが気のせいだと思う事にした。うん、分かるよ。僕が一番困っているんだ。探し方が分からないのだから。

パニック障害の不安は無かった。Nさんがどこに進んでいったのか把握していた。(おいおい冷静だな)

一人のセントレアは大丈夫なんだ!って思ってた。待っても戻って来ないのが分かったので探すことにした。日曜日で人はそれなりに居たけど、パニック障害なんかどうでも良かった。少しゆっくり歩いて、まわっていると見つけた。

笑いながら「ご飯食べちゃったよ」というと「ごめん、ありがとう」と言って「Nさんに挨拶ぐらいしなさい」と言うと「無理」と言った。

でも、それは違うと思ったので「北海道は遠いのだから、ありがとうございました!とか、頑張ってください!」ぐらい言ってみたら?と言ってみると「んー・・・」と言っていたが手を引いてNさんの所へ向かった。なっちゃんは泣きそうになっていた、Nさんは、なっちゃんの仕事人生で、かなり大きな刺激を与えてくれた人だと思う。

なっちゃんが、Nさんに声を掛けた。「あーなっちゃん!」とNさんがびっくりしていて、Nさんのお母さんもそこには居た。みんな頭を下げる不思議な感じだった。

なっちゃんが「彼氏です、Nさんだって気が付いて教えてくれたんです」と言っていた。Nさんも僕と目が合ったのは分かっていて、どこか見覚えがあるような気がしたと言っていた。それといろいろ簡単に話していた。(たぶん、見覚えはなっちゃんのスマホの写真とかで見えたんじゃないかな)

これだけでメモリアル

次に続く

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