なっちゃんの協力 その2 (20)

なっちゃんの協力 その2

なっちゃんは僕のパニック障害について、いろいろと考えてくれ、また協力してくれていた。しかし、なっちゃんは手詰まり感に潰されそうになっていたと思う。

僕は仕事のことで色々あったりしたので、少し放っておいてほしかった、二つのプレッシャーを感じたくなかった。僕も少し困っていた。

主治医にこれを見せてほしいとメッセージが来たので診察時に先生に見せた。以下が原文である

自分も持病をもっているのですが、彼は症状があるかないかで一喜一憂していて、波が大きいため苦しそうだと感じています。

なるべく薬を飲まずに人混みに行けるか?

以前のように電車に乗れるかを試し、できなかったらどうしてできないか考え憂鬱になっているようです。

考えた方法を実践しても症状が良くなるときもあるかもしれませんが、どんなに努力しても変わらない時もあると思います。なので、治療に関しては先生のアドバイスと薬を信じて過ごすのみでいいと思っています。

普段の生活で私たちにできることとしては、病気を治す方法ではなく、病気と付き合っていく方法(社会で生きて行く中で、病気があっても過ごしやすい方法)を見つけていくことが大切だと感じていますがいかがでしょうか?

病気と付き合って行く方法というのは、おおげさなことではなく、このようなことをイメージしています。

  • 体調が悪くなりやすいため、約束するときは予定をタイトに詰めすぎない
  • 体調が悪くなったら、なるべく早く行けないことを相手に伝える
  • 苦手なことは前もって相手に伝えておく
  • 予定を入れるときは予備日をつくる

自分へのハードルを下げることができればいいのではないかな、と感じています

ここまでがなっちゃんの文章

なっちゃんはお利口であるため、私はこう考えているのと、僕にも分かりやすく伝わるように書いてくれたのだと、その時に読んで思った。

先生は少し言葉を探していた、明らかにいつもと様子は違った、首を動かす回数が多かった。「これは愛というだけのものでないあなたへの想いだと思いますが、なぜ彼女はそうまでしてあなたを想うのか不思議です、なぜでしょうね。」と言った。僕はそんな事を聞きたいわけでなかった。

「彼女の書いてある通りなので、特に言うことがありません」と主治医は言った、それと「やっぱりあなたの横に居る彼女は安定剤よりも効く一番の薬です」とも

「電車に乗らないといけない訳でもないのだから」とも言われたが僕は出来れば電車に乗りたいという気持ちがあったので聞いてみた。

「行き先を決めないで乗れるところまで電車に乗ってみるのはどうかな?、最初から当てがなければ、降りた先で新しい発見があるから退屈ではないのと、出来た出来なかったで一喜一憂しなくていい、それとあなたの彼女はそこで不満を言いませんから安心して下さい」と言い切った。

なっちゃんの文章で、彼女の想いは全て先生に伝わったとでもいうのだろうか、少し納得がいかなかったが、でも納得した。

なっちゃんに伝えると「電車乗って行きたくなったら言ってね、そんな期待してないから」と笑って言ってくれた。

それでも僕は怖かった、なっちゃんの前で発作を出したくない、そんな小さなプライドが邪魔で仕方なかった。

パニック障害の発作というのは突然襲ってくるのだけれど、慣れてくると乗り越えれるパターンも出てくる。要するにコントロール(避けてかわす)が出来た感覚だ

しかし、そのパニック発作は押さえつけようとすればするほど出やすくなってコントロールできなくなる。だから、やっぱり諦めるのは習慣付けしておくといい。これは仕方ないなとか、「はい、30秒で大丈夫です」と思ってみたり。やり方はいくらでもあると思う。

僕は単純で安定剤を口に入れた瞬間に「はい効き始めた」と思い込むことにした。これだけだが発作は出ない。信じるとは本当にすごい事だと思う。