なっちゃんと静岡県へ 後編 (17)

なっちゃんと静岡県へ 後編

旅の朝はいつものようになっちゃんを起こす事から始まる。朝食もビュッフェだったので「ご飯が待ってるよー」と言うと、わりとすんなり起きた。えらいなと思って抱きしめたりなんとなく頬を合わせたりした。朝食を食べに行くのを二人とも楽しみにしていた、なっちゃんの支度が早かったのをよく覚えている。

二人で仲良く手を繋いで歩いて食事へ向かった、食事はやっぱり美味しかった。なっちゃんは「あー幸せー」とよく食べていた、僕もよく食べれた。なっちゃんが外のよく見える席を選んでくれていたので太陽の光を感じられたし景色も良かった。

しっかり食べて部屋に戻った、二人ともゆっくりと荷物の準備をしたりした。二人とも元気だったのか、そこから本気で愛し合ってしまいチェックアウトの時間ギリギリに部屋を出た。違う、使ってないベットが3つもあったからだ

ホテルを出てすぐ横に結婚式場があったので行ってみた。やっぱり誰も居るはずがない、勿体ないぐらいにいろいろな花が美しかった。二人でいろんな写真を撮った、だれの目も気にしないで芝生の上はそれはもう二人の世界だった。途中から少し緊張した感覚があった、結婚が決まったらどんな結婚式やるの?とか緊張しちゃうよなとかそんな事を考えていた。自然がいっぱいなら大丈夫かもなとか思ったりもした

それから、なっちゃんに一緒に誰も居ない山道みたいな道を歩きたいとお願いして付き合ってもらうことにした。もう一度だけ確認しておきたかったのだ、寂れた事に間違いはないのかを。(大分ショックだったんだ)それと同時に自然に囲まれて鳥が鳴いているところをなっちゃんと二人じめしたかった、走ったりもした。誰も居ないから気にせずキスもした。なっちゃんもいつもみたいに人目なんかの確認をしなくてよかった。これで気が済んだ。やっぱり寂れてた。

一度だけ脳裏をよぎったのは、この山道みたいな誰も居ない道でパニック障害の発作が出たらどうだろうか?と考えた。答えはすぐに出た「発作が出たらこの道に横になって、なっちゃんに横に居てもらったらそのうち治まるからいいか」と簡単に済まされた問題だった。こんな繰り返しがパニック障害の予期不安などを解消するのに有効になる。それでも不安に思ったのなら安定剤を飲めばいい。

さて、旧つま恋を出発してコンビニに向かった、二人ともよく歩いたのでのどが渇いたのであった。なっちゃんは「どうする?」と聞いてきた「電車に乗れそう?」という意味だった。僕は「花鳥園でいい」と言った、なっちゃんは怒っていた。

コンビニから悪い空気になった。花鳥園に着いてなっちゃんの怒りは爆発した。「なんで乗れそうにないとも言わなければ、行こうともしないの!!」「それ良くないところだよ!」と、僕は「ごめんなさい」と言ったが、なっちゃんは呆れていた。本当に呆れたという顔をしていた。

たぶんなっちゃんは少しでも訓練というか手助けをしてくれようとしていたと思う。僕が電車に乗れようが乗れまいが、パニック障害の発作が出て泣こうが叫ぼうが私が守るから大丈夫だからって気持ちだったのだと思う。それを僕が曖昧にはぶらかしたので怒れて仕方なかったのだと思う。なっちゃんは花鳥園に行くことなんかより、僕が大井川鉄道のホームに立っている姿の方が見たかったのだとも思う。自惚れではない、なっちゃんはそういう人なのだ。

それでも花鳥園では楽しく過ごした、なっちゃんの一眼レフカメラで沢山の写真を撮った。ときどき人混みを気にしてくれたが大丈夫だった。でもフラミンゴがちょっと怖かった。あの色であの動きはどう考えても何か訳がありそうに思える。

帰り道になっちゃんはまた怒っていた。やはり大井川鉄道に向けての気持ちが大きかったのだと思う。帰り道は僕が運転した、なっちゃんはくたびれていた。軽いてんかんの症状なのか向こうの方をぼーっと見ている回数が気になったので運転はさせなかった。すぐにうとうとしていたので「もうシート倒して寝ていいから」と寝かせた。反省と後悔で心の中ではNickelbackのSomedayが大音量で流れていた。

寂れた山道ウォーキングがかなりの運動だったようで僕も眠さがあった。しばらくしてコンビニでガムを買おうと思いながら走っていたらなかなか無かった。あっと思った道で入り損ねてまた走っていると後ろからパトカーがつけてきた。シートベルトは大丈夫、スピード違反は無いしと思った時にサイレンが鳴る「運転手さんもう少し前まで走って路肩に止めてください」となっちゃんはサイレンで飛び起きた「信号無視とかスピードとかじゃないから大丈夫だよ」と言うと「何で自分だって分かるの?」と言うので「ミラー見てたらパトカーがつけてきたから多分僕だよ」と答えると「あー寝ててごめんなさい」と言うのだけれどこっちは何を違反したのかの方が気になる訳で

パトカーに乗るとお巡りさんに、一旦停止無視を宣告された。「どこです?」と聞いたら丁寧にスマホでストリートビューで見せてくれた。「左右確認はしたけど全く停止する気配無かったですよね?」と言うと「そこまで覚えてて標識見えてないの?」と聞かれたので「よくパトロールされる道なんですか?県外の人間なので慣れてない道で」と言うと「小学生がよく通る道だから」と言ったので「理解しました」と腑に落ちた「眠気があったので、眠気覚ましになりました。ご苦労様です」とパトカーから降りていくと、なっちゃんは「捕まったのに、ご苦労様ですなんて元気よく言えるね」と言われたが「仕事してるんだから、ご苦労様ですだよ」と言った。「あーゴールド免許がー」とも言った

その後は安全運転で帰りました。

やっぱり冷静さって大事だと思います。情熱もだと思います。あとなっちゃんの気持ちも大事だと思います

なっちゃんとのお付き合い (1)

2019.09.01