中学生のころ その2

そして精神科を受診することになった。

今でこそ、パニック障害はそれほど差しさわりの無い病名だが、その当時は100人に1人ぐらいと言われた。 それほど知られてなかったり、認めたくなかったりで実数の把握はなかなか正確でなかったみたいだ。

まず医師に「どうして自分でおかしいと思ったのですか?」と聞かれた。 自分は「今まで生きてきてこんな体験はしたことがないから、身体の異常でなく心か頭がおかしくなったと思った」と答えた。

急に息苦しくなるとか死んでしまうのではないかと不安に襲われるなど症状を説明して、一発で「パニック障害で間違いないです。真面目なOLさんとかに多いんです。100人に1人ぐらいはいるから心配するほど珍しい病気じゃないからさ、気長に付き合っていこう」と言われた。 「認めたくない気持ちが親にあっても、本人が苦しいと言っているなら認めてください。彼にもプライドがあるだろうがそれを砕いて助けを求めているし、14歳で精神疾患に気付くこと自体が不思議だ」と言っていた。

「気持ちを楽にするためと発作を抑える投薬をするんだけど、君の成績は確実に下がるからそれだけは覚悟してくれ」って言われた。

「今までの二倍ぐらい勉強したら普段の成績でいられますか?」とバカな質問をする。

「それだからこの病気になったんだと思ったら良いよ」と真面目に答えが返ってくる。

「絶対に成績が下がるなんて、そんな事はない」と言う。 「今の成績がどれくらいですか?」 「320人いて30番以内です」 「それでは、今後は70番以内を目標にしましょう」って言われて頭にきたのを覚えている。

それから驚いた事に2週間おきの通院も必要と言われ、「学校は遅刻して行って下さい。必要なら診断書を書きますから」と。

薬の処方は通常の処方ではなかった。 「本当は良い事ではないんだけど、恐らく君なら自分で薬のコントロールが出来るから自分で調節しながら飲んでみて」と言われ戸惑った。 理由としては、まだ若いと言う事があり薬漬けにはしたくなかったらしい。 「多く飲みすぎたらどうするの?」と聞いたら 「出来るならやってみなさい。まぁお互い信頼関係が崩れれば良くなるものも良くならない」と。

薬は見事にパニック障害の発作を封印した。医師からのアドバイスも良かったのだと思う。不安が来ても絶対に死にませんから安心して下さい、薬を飲めば5分で効きますから、などと言って信じさせてくれた。医師に恵まれたと思う。

投薬が始まってからの初めてのテストが35番だった。 結局は薬の影響で集中力が欠けるので、ちょっとしたミスが多かった。 記憶力は落ちなかった。不幸中の幸いってやつ

しかし、普段の生活で苦しい事は無くなかったので楽しかった。 この時点で、勉強って何なのだろう?自分は勉強のせいで病気になったのか?と考える事はあった。

それで気分転換が必要だと思い大好きな洋楽を聴く時間を増やした。

[ここからはややバカな内容となります。真面目な事ばかり書いてたら疲れちゃうからさ。]

それとクラスの女の子とCD交換して楽しみを増やしたり 学校を遅刻して行ったのもすべてがマイナスではなかった。 家が近い仲良しの女の子にノートを借りて写させてもらった。 たまに手紙をノートに挟んで渡してくれたり楽しかった。

テストの直前数分前には自分は教科書見たりってのは全くやらなかった。 精神統一のみ(笑)←本当ね

その女の子が分からないとこを聞きに来るんだけど、他の男も来るから「そこテスト出ないと思うから出たらごめんなさい」って払いのけておく。

それで女の子に教えるんだけども「ねぇ、ここ出ないって言ってたよね?」とか突っ込んでくるんだけど、「世話になってない奴に点数やるほど人好しじゃないよ」って二人で笑った。

自分は全部出来る状態でテストに望んでいたので、点数配分なんかも逆算してこの一問解いていくよりこっちの一問のが大事とか割と当たってたみたい。

そして毎回テスト前の二人きりのレッスンは続いたのである←表現がいやらしいわ(笑)